2006-07-14

時々刻々

つい先日、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏が事実上の現役引退表明したことは、このブログに書いたが、その重大な理由が判明した。2006年7月13日読売新聞に載った記事が、それを語っていた。
「マイクロソフト独禁法違反 EU410億円追加制裁」の見出しである。
私が以前よりマイクロソフト社に抱いていた懸念項目「基本ソフト・ウインドウズ、と応用ソフトの接続に関する情報を開示しパソコンメーカーが自由にOSに応用ソフトを追加できるようにする」、それが最大の争点であり今回の制裁原因にもなっている。マイクロソフトの技術情報開示という問題がビル・ゲイツ氏を現役引退に追い込んだとも云えるし、また今日のマイクロソフトを築き上げた要因がまさに「ソレ」だった。

2006-07-12

2007年インターネットの明日









Posted by Picasaphoto: original logo

MONEY LAUNDERING・資金浄化は、闇金融取引の世界で行われる世界を駆巡る複雑な非合法の手法だが、日本のITベンチャー企業がそれに手を染めトップが逮捕されたことは周知の事実である。
写真のlogo、自分でデザインしてその該当するサイトにデザイン部門に応募した。痛烈批判を込めて送付したが当然採用されることはなかった。
「THE Search」に紹介された、それに関連する事項を引用するが、その隔たりが余りにも大きすぎ言葉を失う。
「IBMは2004年2月にソフトウエア会社のセマジック社と共同でマネーロンダリング探知アプリケーションを開発し、すでに金融機関で採用されたと発表した。最初の導入先はシティバンクと見られる」。
「THE Search」は新興IT企業「グーグル」の内部を克明に追ったドキュメント本である。今や世界の趨勢グーグルだが、その先を展望したコンセプトとして何が展開するのかという予測のもとにIBMのソフトアプリケーションを紹介していた。現在のインターネット世界、いまだ混沌として未成熟な様子がそれで垣間見える。
邪悪にならない、というスローガンを掲げたグーグル、それを実践するかのようにアドセンス広告にはユニセフの募金広告が載っている。「子どもにふさわしい世界、ユニセフ子ども最新情報、ご支援情報」、と私のトップページに掲載されていた。
あえて運命に立ち向かう、という鳥肌の立つような言葉を正面から掲げた姿勢を悪意に詮索する者はいないだろう。還って、それが新鮮な響きとして聞こえてしまう現在の風潮、「慈善事業なんかに精を出してるヒマはない」と60年間云い続けてきた世界のトップ企業に対するアンチテーゼ、また、そうしたものに一切の興味も示さなかった平穏市民に対してのアプローチかもしれない。世の中の摂理、無秩序に放っておけば欲得に長けたものの世界に充満されてしまう。新興ネット世界がその例で、素性の明かさない闇サイトが暗躍し寄生虫のごとく旨い汁を吸って生きている。古来より必要悪というカテゴリーに安住して彼らは延命しているようだが旧来アナログ社会でそれは通用したが中抜きネット社会では、既存商法と同じく古来慣習は破棄された。生物学的に無菌状態による弊害が、にわかに注目され総てが悪とは言い切れない環境が必要であるとの論調が出始めている。そのことを、お互いが肝に命じて次の10年の展望を担う必要がある。必要悪の根拠とは何か、無菌状態を解析することによって何が防御で何が維持なのか、それを徹底的に検証する必要がある。
旧来から引き継ぐ既存の概念と商法の中に、悪と無菌を情緒的にではなく科学的に分析したデータが過去にあっただろうか。ネット内に遊泳するアルゴリズムサーチが寸分の狂いも無くそれらを選り分ける能力を持つ精度が、いま要求されている。できないことではない。
ギリシア紀元前5世紀より哲学自然科学は営々として築かれてきた。その実績が今日のデジタル社会を創造した。その足跡を辿れば、邪悪を極力排除することは不可能ではない。全部は無理だろう。なにしろ邪悪の病巣は他ならぬ、我々人間世界の一部から発生しいるからである。

2006-07-10

nation・ネーション 民族による国家

Posted by Picasa photo:楽器に装飾された龍のレリーフ


「THE Search」(ジョン・バッテル著)を読み進んでいる内に、日本とアメリカ、その思考スケールの違いに愕然とする。
特に思ったのはスタンフォード大学が世界経済に与える影響に関してのリアルな経済効果だった。日本の公的教育機関、「東京大学」が、そのようなダイナミックな研究成果を現経済社会に与えているのか、という比較疑問を抱かせるような問題提起を示唆していた。国家教育の根源的な主題、誰に何を教え、その成果を何処に伝播喧伝反映させるのか、というモノの道筋がアメリカでは明確に示されている、と私は思った。「THE Search」には、その具体的な日常が克明に明かされていた。歴史、民族、国家という複雑な要素が絡んで、「これとソレ」を単純に同一の枠で比較することは出来ない。だが、宇宙規模で運行している地球のサイクルは全世界がリアルタイム同時進行で進み、タイムマシンがセットされない限り地球の裏も表も12時間差の僅かな誤差でしかない。その中で全世界の人間が生活していると考えれば、或る事象に関して共有し運命共同体である。今、世界規模で進行しているIT革命の本質を正確に理解すること、即ちそれがアメリカの<スタンフォード・シリコンバレー>そして、若手ベンチャーを育て上げる国家的土壌の家族構成(親の職歴)、それらの動向を逐一リサーチすることである、と私は思う。

*テポドン その後*
「政府高官は7日昼、北朝鮮が5日午前5時頃発射したテポドン2号について、ハワイそのものを狙ったか分からないが、だいたいハワイの方向に撃ったのではないか、と述べ、照準が米ハワイ州周辺に合わせられていた可能性が高いとの見方を示した」。7月8日付 日刊スポーツ記事

2006年7月7日付 千葉日報新聞記事抜粋
-転形期への座視- 山崎正和 大阪大名誉教授 劇作家
「近代化とは原理的には、苦痛を逃れたいという人間の衝動に根差した運動でそれは他者の苦痛もみたくないという共感の感覚につながる。そしてさらに世界を統一的にみて、暴力でなく理性で支配しようとする世界観が生じる。そこで成立した想像力の形式が世界中に広まったのが20世紀だった。」
「米国中心の世界秩序を、否定しようのない現実、と受け止め、理想状態ではないと知りながら桃源郷はありえないことを覚悟して行動すること、が必要とする現実的選択の結果だった」。

モノゴトの事象を捉えるとき、立場がどうであれ人の基準は主観で判断する。その結果がテポドン事件であり、平和国家日本から見た狭義世界的観測判断が展開する。中世キリスト教異端審問時代とは隔たった2006年の今日に至って言論の自由は大幅に解放されている。かといって人間世界の様式が全面的に変革した、ということではない。相変わらず好き勝手なことをしているのがヒトの行動だ。ナニが正しく、どれがホンモノか、さっぱり分からない、それは真にパソコンの中味とソックリだ。

2006-07-09

ザ・サーチ

Posted by Picasaphoto:自筆篆書




日経BP社「ザ・サーチ クーグルが世界を変えた」、を今読んでいる。
Googleに関する本はこれで三冊目になった。最初が梅田氏の「web進化論」、続いて佐々木氏による「グーグル 既存のビジネスを破壊する」であったが、何れも日本人による視点からの描写である。
今回、日経BP社による「ザ・サーチ」は米IT世界の只中にいるジョン・バッテル氏による著書で、その内容も具体的でリアリティーがある。
もちろん、中谷和男氏訳による翻訳書であるが、翻訳であることを忘れさせてくれるようなドキュメントである。まだ冒頭しか読んでないが、その先が楽しみである。