2007-06-28

年金~続編 6月28日

                photo:野草絶滅種に晒されるラン「アワチドリ」

昨日に続き、年金問題を検証。

来年、定年を迎える身にとって、それは切実な問題であり「記録がありませんでした」では済まない。
しかるべき、現在就業中の会社に問い合わ「基礎年金番号」を照会してもらった。

本社から送られてきたファクスに40年前の見覚えのある証書写しがあった。
そこに書かれていた社会保険庁受付年月日「平成9年1月1日」と認めてある。

これが問題の10年前の混乱期日と改めて納得した。
それにしても、個人の「年金手帳」を勤務先の会社が何故管理しているのか、その点も不可解だ。
これでは厚生年金といえども個人が受給するはずの年金データを即座に自分が検証できないシステム、それを考えたのは一体誰か。よくよく考えてみれは、おかしなやり方が随所にみられる。
さらに拡大解釈するなら、納めた支払い年金が何処に保管され、どのように年金受給者に支払われるのか、その収支決算書を見た者がいるのだろうか。タバコ、鉄道運賃と同様領収書を発行しない、という法律根拠があるのだろうか。

日本国民の年金支払い義務者から集めた年間金額がいくらで、そのプールされた全体金額を何処に預け、誰が管理し、どのように資金運用しているのかサッパリわからない。(しばし年金基金で建てられましたという看板はみたことはある)

そのデータがないから見当もつかないが、おそらく兆単位の金額ではないかと推測する。
5000万人のデータが紛失している、ということは実際、支払い年金の現金は何処かに「在る」はずで、その支払った基が特定できない帳簿とは、現金だけが宙に浮いている状態とみていい。使途不明ではなく意味不明の現金数兆円が、どこかに隠れている。これはとんでもないことで、また恐ろしいことだ。

前期、退陣した小泉前総理が命を張って法案化した「郵政民営化」。そこに保有されていた郵貯の莫大な数兆円現金が国から離れ、民間企業に流れ込む。その莫大な現金を運用できるのは極限られた国と企業であるという話を聞いたことがある。それはどう考えてもアメリカでしかない。

その足跡と同じような経緯を含んでいるような気がしてならないが、すべては確たる証拠の無い「れば、たら」話しである。

続いて新しい情報があったので参考までにコピー表示する。(これは法的には違法である)

1億人全員に年金納付履歴通知、柳沢厚労相が表明
                                   2007年6月28日(木)11:48   読売新聞

 柳沢厚生労働相は28日午前の参院厚生労働委員会で、過去の保険料の納付履歴の通知について「すべての年金の受給者、現役の加入者に履歴を送って確認いただく」と述べ、約1億人の公的年金加入者・受給者全員に通知する考えを表明した。
 通知は来年度から本格的にスタートする見通しで、年金受給年齢に達していない加入者約7000万人については、来年度から本格実施される「ねんきん定期便」で履歴を通知する。年金受給者約3000万人については、来年6月以降、約5000万件の該当者不明の記録をコンピューターで照合した結果と共に履歴を通知する方針だ。
 一方、柳沢厚労相は答弁で、社保庁を廃止し、2010年に設立予定の非公務員型の日本年金機構の職員について、現行の公務員同様の天下り規制を設ける考えを示した。

2007-06-27

デタラメか?、それとも日本的体質か?


どうにもならない社会保険庁のズサンな体質に、怒りと失望と為政者たちのうわのそら体質に、あえて新聞記事をコピーして物申す。
朝日新聞記事全文コピー
社保庁改革阻む100の裏協定「どうにもならなかった」
                             2007年06月27日09時59分   「朝日新聞」
 
「組合にも責任があるが、要求を受け入れた管理者側にも問題がある」。社保庁の最高顧問だった「さわやか福祉財団」理事長で弁護士の堀田力氏(73)は、かつての経験を振り返りながら、ずさんな年金記録問題についてそう感じたという。
 年金保険料の不適切な支出、個人情報の無断閲覧。様々な問題が噴出していた社保庁を立て直すために呼ばれた堀田氏の目に、職場は無気力で怠惰な雰囲気に満ちているように映った。
 「労組との裏協定があって、どうにもならなかった」。04年9月に最高顧問となって間もなく、数人の長官経験者からこう耳打ちされた。
 組合と社保庁との覚書や確認事項による「裏協定」は100を超えていた。「窓口でのパソコン作業では、キーボードを45分操作したら15分休憩」「キーボードへのタッチは1日当たり平均5000以内」といった数々。一部の文書は「国費評からの要求の実現に向け、誠意をもって対処する」で締められていた。
 「こんな協定を求める方も問題だが、歴代長官らにも、何も手を打ってこなかった不作為の連帯責任がある」と堀田氏は指摘する。やる気のある職員が実力を出せるよう、まず裏協定の破棄作業が進められ、05年1月に完了した。
 組織改革の方向が見えてきた06年春、年金の納付率を上げるために数字を改ざんしていた問題が相次いで発覚。これまでの改革案は白紙になり、与党からは「組織を民間にしろ」の大号令が上がった。「助言はかき消され、政治家も聞く耳を持たない状態となってしまった」
 堀田氏は今年1月、最高顧問を退任。そこに、ずさんな年金記録問題が持ち上がった。「情けないし、本当にがっかり」と肩を落とす。

この記事を読む限り、『社保庁の最高顧問だった「さわやか福祉財団」理事長で弁護士の堀田力氏(73)は、かつての経験を振り返りながら、ずさんな年金記録問題についてそう感じたという』。と述べた堀田氏は同罪である。
この事件で、自殺者が出ないのはどうしたわけか。
この件に関与した全員が他人事と認識しているからに違いない。はたまた、「どうにもならない」日本人的体質が、そうさせたのか。
日本国民個人の情報を国が管理する、というアンチテーゼが根本にあった。これまでの報道でそれが明らかになりつつある。
つい最近「ハシカ」が大流行したが、その理由がある年代にワクチン摂取されなかった年代層に蔓延したという現象と、とても近似している。
無気力で怠惰」な職員に同情しつつ、それで私と、5千万人以上の国民が国是として「国民年金保険税」を納めた途方も無い金額を御破にしろ、といったような言い訳が通用するとでも云うのか。
そうなんです、通用するから総ての当事者の皆さん上の空で対応しているのです。(それが日本人的体質)
これは歴代の疑獄事件どころではない。国民をしんそこ欺いた一大スキャンダルであり、国家恥辱事件です。前代未聞、未曾有、そんな生易しい形容も当てはまらないこの事実を、いまだ誰も指摘しないのが、これまた日本人的です。