虫の造形
photo:鮮やかなオレンジ色 虫 のオブジェ
前項で紹介したフォトコレクションの虫。体長約1.5センチ程度の大きさで全体がオレンジで黒の斑点模様。その斑点の形も全部異なり幾何学形の図が左右対称に並んでいる。古代日本の図柄に左右対称形であらわす様式があった。奈良正倉院の宝物の一つにそれがある。
動物唐花文を基調とた唐式の図柄で、花葉丸文と花角鹿をあしらった織物で、その原型を辿ると古代ペルシャに行き着く。古代の交易がシルクロードを通って行われていた証明である。
今日、アートを含めて描く・奏でる、などの表現手段は家庭のパソコン1台でぼほ表現可能だ。もともとパソコンの映像技術は映画のノウハウを基にして作られている。同様にあらゆるジャンルの技術は人類の叡智を蓄積して出来上がっており、それが粘土板から紙へと、紙は印刷物へと変わり、さらに現代ではその情報はパソコンにインプットされ、巨大な輪転機を回さずとも情報がダイレクトに個人へと配信される。
方法は変わっても情報のソースは昔と大差なく、「隣の家に子猫が生まれた」程度の内容である。
デジカメで撮ったオレンジ色の虫、左右対称の文様は人間が図柄を描く以前から、個体の遺伝子にその情報が蓄積されていた。それをコピーしたのが人間の知恵で、今で言う著作権侵害という厄介な問題もなかった。それでも動植物のDNAが企業によって登録され、生物個体の先天的情報を寡占するという、どうにもならない時代に入ってしまった。
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