2006-08-01

神話のスタイル

8月1日、銚子の銚港神社で祭があった。雅楽演奏の依頼で祭の式典に欠かせない雅楽の管弦と朝日舞を奉納してきた帰り道、なにげなく寄った蓮沼の五所神社に、その絵はあった。
タイトルも謂われも作者も知れぬ、その絵は推定でも300年は経っているであろうと思われるにもかかわらず、まったく鮮度を失うことなく神社の天井に何気なく飾ってあった。明らかに神話世界を描いた物語で、真ん中の女は天照大神である。配下にはホンダワケノミコト、アメノコヤネノミコトなどの主要神を配して天空世界の神々を描いている。これほどリアルに描かれた神話絵画をこれまで観たことがなかった。まして今日まで鮮明な色彩をとどめ、また作者の筆遣いまでが克明に残っている。その筆のタッチは江戸時代前期の傑出した絵師を輩出した時代の痕跡が色濃く現れている。これは歴史的名画と直感した。そのはずで、この五所神社は昭和28年、千葉県重要文化財に指定されていた。


場所 「五所神社」 千葉県山武郡蓮沼村殿台鎮座  宮司 朝日典男

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