2006-05-14



隔靴掻痒(かっかそうよう)、履いた靴の上から痒い足を掻くなんてことは出来ませんから、痒いところに手が届かない欲求不満を現した言葉です。自我の強いタイプは、そうした不満を常日頃抱くようで私などは、その筆頭ですからこの言葉を良く使います。「Web進化論」の中にも使われているので紹介しましょう。
「ネットの世界に住まない人々に最先端の話をするために要するエネルギーは回を追うごとに増すばかりなのに、議論してもそこから何かが生まれる感じがしなくなった。隔靴掻痒の感はどんどん大きくなっている」。
著者、梅田氏がエスタブリッシュメント層に対して抱いている「募る思い」を、そのような表現で「アアなんとかならないものかなあ」と嘆いている様子が、その四字でこちら側の読者に伝わってくるから、やはり漢字の威力というか説得力は凄いですね。
しかし、ですね本を読む、書籍が店頭に並ぶというのは、その活字を読んで理解するというのが大前提ですから最低限の約束事、読み書きが出来るという識字率の問題でもあります。こんなことを云うと「何を血迷ったか」と批判されそうですが、日本は世界有数の識字率を誇ります。それ即ち歴史的な学校教育の結果でもありますが、ほぼ100%近い国民が字を読めるというのは個人の持つ表現力が豊かであることです。
もっとも具体的な例がパソコン・インターネットで、まず字を読んでその内容を理解しないことには、まったく前に進みません。これはアナログ的な直接会話の電話交信とは次元が異なります。そんなことでも識字率が高いということはIT産業の市場パイが他に比べて断然有利な条件を備えていることなにります。梅田氏が期待する若い世代の台頭が、そこに見える気がします。

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